その「死」は告知が必要?不要?
不動産の世界には「心理的瑕疵」という言葉があります。これは、物件自体に雨漏りやシロアリなどの物理的な問題がなくても「心理的に抵抗を感じる事情がある」状態を指します。
もっとも多いのが「室内での死亡事案」です。しかし「家の中で人が亡くなった=すべて事故物件」というわけではありません。
この記事を読めば告知が必要なケースと不要なケースの境界線がはっきりとわかり、安心して売買に臨めるようになります。それでは確認していきましょう!
事故物件とは何か?実務上の考え方
お客様👨🦰:ノダチさん、ちょっと相談に乗ってください。実は実家を売却しようと思っているんですが、数年前に父が家の中で亡くなっているんです。これって、いわゆる「事故物件」になってしまうんでしょうか?
ノダチ👨💼:それはご心配ですよね。まず結論から申し上げますと、「家の中で亡くなった」ということだけで、即座に事故物件(告知義務あり)になるわけではないんですよ。
お客様👨🦰:えっ、そうなんですか?「事故物件」って、人が亡くなった物件のことだと思っていました。
ノダチ👨💼:一般的にはそう呼ばれることが多いですが、不動産実務では「その事実を知ったら、普通の人は買わない(または安くないと買わない)と判断するかどうか」という基準で考えます。これを「心理的瑕疵」と呼びます。
お客様👨🦰:なるほど。でも、人によって「気にする・気にしない」の基準がバラバラですよね。
ノダチ👨💼:そうなんです。以前はその基準が曖昧で、不動産会社によっても判断が分かれていました。そこで2021年に、国土交通省が「人の死の告知に関するガイドライン」という指針を公表したんです。今はこのルールに基づいて判断するのが一般的になっています。
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事故物件の告知義務はどこまで必要?
お客様👨🦰:ガイドラインでは、どんな場合に「告知しなきゃダメ!」と言っているんですか?
ノダチ👨💼:大きなポイントは、その亡くなり方が「自然死」なのか、それ以外(事件・自殺など)なのかという点です。
お客様👨🦰:父の場合は、夜寝ている間に老衰で亡くなっていたんです。
ノダチ👨💼:それであれば、原則として告知義務はないと考えて大丈夫ですよ。
お客様👨🦰:本当ですか!それは安心しました……。でも、なぜ自然死は言わなくていいんですか?
ノダチ👨💼:人はいつか必ず亡くなりますよね。自宅での老衰や病死、あるいは転倒して頭を打ったといった「不慮の事故」は日常生活の中で当然起こりうるものと考えられています。これらをすべて告知対象にしてしまうと世の中の多くの中古住宅が売れなくなってしまいますからね。
自然死や病死でも告知義務が生じる「例外」とは?
お客様👨🦰:でも、ネットとかで見ると「自然死でも事故物件になった」っていう話を見かけるんですが……。
ノダチ👨💼:実は「特殊清掃」が行われたかどうかが、一つの大きな分岐点になります。
お客様👨🦰:特殊清掃……。つまり、発見が遅れてしまった場合ということですか?
ノダチ👨💼:その通りです。亡くなった後、長期間発見されずに遺体の腐敗などが進んでしまい、通常の清掃では落としきれない汚れや臭いが発生して、特殊清掃やリフォームを行った場合。これは、たとえ死因が自然死であっても告知が必要になります。
お客様👨🦰:あぁ、なるほど。その「状態」そのものが心理的な抵抗になってしまうわけですね。
ノダチ👨💼:はい。また、他にも例外があります。
- 事件性・周知性が高い場合:例えばニュースで大きく取り上げられたり、近隣で有名な事件だったりする場合。
- 買主から直接聞かれた場合:売買において、買主さんが「以前ここで亡くなった方はいますか?」と具体的に質問してきたら、売主や不動産会社は嘘をついてはいけません。
お客様👨🦰:聞かれたら正直に答えないといけないんですね。
ノダチ👨💼:その通りです。ちなみに賃貸と売買でも少しルールが違います。賃貸の場合は「事故から3年経過すれば告知不要」とされることが一般的ですが、売買の場合は金額が大きく、買主様が生涯住み続けることも多いため、数十年経っていても説明することが多いのが実務上の現状です。
不動産会社はどこまで調査するの?
お客様👨🦰:ノダチさんのような不動産屋さんは、その物件が事故物件かどうか、どうやって調べているんですか?近所の人に聞き込みとかをするんでしょうか?
ノダチ👨💼:実は、実務上では原則として聞き込みやインターネットでの徹底調査までは義務付けられていないんです。
お客様👨🦰:えっ、意外です!もっと足を使って調べているのかと思っていました。
ノダチ👨💼:もちろん、私たちもプロとして可能な限りの情報を集めます。ですが、基本となるのは「売主様からの告知書」です。売主様に「過去にこういうことはありませんでしたか?」という確認シートを書いていただき、それをベースに買主様へ説明を行います。
お客様👨🦰:売主の自己申告がメインなんですね。
ノダチ👨💼:はい。ただし、管理会社からの情報で不審な点があったり、室内に不自然なリフォーム跡があったりして「何かあったかもしれない」と疑うべき事情がある場合には、追加で調査を行う義務が生じます。
売主・買主がトラブルを防ぐために気をつけたいポイント
お客様👨🦰:もし、売った後になって「実はあそこで……」と問題になったら怖いですよね。
ノダチ👨💼:それこそが一番避けたい事態です。告知義務に違反すると、損害賠償を請求されたり、契約を解除されたりするリスクがあります。トラブルを防ぐためのポイントをまとめました。
売主側の注意点:迷ったら「正直に話す」
たとえガイドライン上で「告知不要」な自然死であっても、少しでも不安があるならまずは私たち不動産会社に正直に伝えてください。 私たちはその情報を踏まえて、「これは法的には告知不要ですが、念のためお伝えしておきましょうか」といった、トラブルにならないための最善のアドバイスができます。
買主側の注意点:納得いくまで確認する
もし気になるようであれば、契約前に「過去に亡くなった方はいませんか?」「何か特別な清掃をしましたか?」と具体的に質問してください。質問に対しては正確な回答を得る権利があります。
まとめ
お客様👨🦰:今日はありがとうございました。父のことは自然死で、すぐに家族で見送れたので告知義務の心配はなさそうだとわかってホッとしました。
ノダチ👨💼:それは良かったです!最後に今回の内容を振り返ってみましょう。
- 自然死や不慮の事故死は、原則として告知義務はない。
- ただし、発見が遅れて「特殊清掃」が入った場合は告知が必要。
- 自殺や殺人などの事件性が高い事案は、必ず告知が必要。
- 売買の場合、数十年経っていてもトラブル防止のために説明するのが無難。
- 何よりも「売主様の誠実な申告」が、後々のトラブルを防ぐ最大の防御策。
お客様👨🦰:よくわかりました。やっぱり、一人で悩むよりプロに聞くのが一番ですね。
ノダチ👨💼:そう言っていただけると嬉しいです!こういった心理的瑕疵に関するご相談は実は少なくありません。デリケートな問題だからこそ、誠実に向き合うことを大切にしています。
「事故物件かもしれないけれど、どう扱えばいい?」「相続した家を売る前に、告知事項を確認したい」 そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ株式会社nodachiにご相談ください。

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