お客様👨🦰:
「ノダチさん、最近よくニュースで『内水氾濫』っていう言葉を耳にするんですけど、これって具体的にどういう現象なんですか? 洪水とは何が違うんでしょうか?」
ノダチ👨💼:
「近年、非常に関心が高まっているテーマですね。内水氾濫を一言でいうと、『街中に降った大雨が、下水道や側溝などの排水能力を超えてしまい、外に流れずに道路や建物に溢れ出てしまう現象』のことです。」
お客様👨🦰:
「川から水が溢れてくるわけではないんですね?」
ノダチ👨💼:
「そうなんです。通常、街に降った雨水は道路の脇にある側溝や下水道、小さな排水路を通って、最終的に大きな川へと流れる仕組みになっています。しかし、ゲリラ豪雨などのように、短い時間に一気に猛烈な雨が降ると下水道などの排水処理能力が追いつかなくなってしまうんです。」
お客様👨🦰:
「バケツに一気に水を注ぐと、底の穴から抜けきれずに溢れちゃうようなイメージですか?」
ノダチ👨💼:
「まさにその通りです!さらに、雨水が流れ込む先の大きな川の水位が高くなると、街なかの雨水を川に放流することができなくなります。無理に放流しようとすると川の水が逆流してしまうため、水門を閉めたり、ポンプでの排水を止めたりせざるを得なくなります。その結果、行き場を失った雨水が街なかにどんどん溜まっていき、以下のような被害を引き起こします。」
- 道路冠水: 道路がプールのようになり、車が動けなくなったり、歩行が困難になったりします。
- 敷地内浸水(床下・床上浸水): 道路から溢れた水が、住宅の庭や駐車場、さらには建物の中まで侵入してきます。
- 地下・半地下部分への浸水: 地下室や半地下構造の車庫などは、周りより位置が低いため一気に水が流れ込みやすく大変危険です。
ノダチ👨💼:
「このように、近くに大きな川がなくても、雨の降り方やその土地の排水設備の状況次第でどこででも起こり得るのが内水氾濫の特徴なんです。」
外水氾濫・洪水との違い
お客様👨🦰:
「なるほど、仕組みはよく分かりました。でも、一般的に言われる『洪水』とはどう違うんですか? 同じ水害ですよね?」
ノダチ👨💼:
「はい、どちらも水による災害ですが、原因となる『水がどこからやってくるか』が違います。専門用語では、洪水のことを『外水氾濫』と呼び、内水氾濫と明確に区別しています。分かりやすく表にまとめてみましょう。」
内水氾濫と外水氾濫(洪水)の違い
| 項目 | 内水氾濫(ないすいはんらん) | 外水氾濫(がいすいはんらん・洪水) |
| 水が溢れる場所 | 街なかの道路、下水道、側溝、マンホールなど | 大きな河川、一級河川、中小河川の堤防 |
| 主な原因 | 短時間の集中豪雨(ゲリラ豪雨)、排水能力不足 | 長時間のまとまった大雨、台風による河川の増水 |
| 発生する場所 | 川から離れた場所、低地、都市部全般 | 河川の周辺、堤防が低い場所、決壊した付近 |
| 被害の特徴 | 比較的早く水が溜まるが、雨が止めば引きやすい | 水流が強く、家屋の流失や広範囲・長期間の浸水リスク |
お客様👨🦰:
「こうして見ると、全然違うものなんですね。外水氾濫は『川の近くの危険』だけど、内水氾濫は『川から離れていても安心できない危険』ということですか?」
ノダチ👨💼:
「よく不動産を探されているお客様から『この物件は川から何キロも離れているから、ハザードマップなんて見なくても水害は大丈夫ですよね』と言われることがあります。しかし、外水氾濫のリスクが低くても、地形がすり鉢状になっていたり、下水道の整備が古い地域だったりすると、内水氾濫による床下浸水などのリスクが潜んでいることがあるのです。ですから、『川から離れているから安心』とは限らない、ということをぜひ覚えておいてくださいね。」
内水氾濫が起こりやすい場所の特徴
お客様👨🦰:
「川から離れていても危ないとなると、どういう場所が内水氾濫になりやすいのか気になります。見分ける特徴などはありますか?」
ノダチ👨💼:
「はい、いくつかの特徴があります。不動産の現地を見学するときや、ご自身の所有されている不動産をチェックするときに、以下のポイントに当てはまるかどうかを意識してみてください。」
1. 周囲より土地が低い「低地」や「すり鉢状の地形」
雨水は高いところから低いところへと流れます。そのため、地域一帯のなかで最も標高が低い場所や、坂道のふもと、周囲を小高い丘に囲まれたような「すり鉢の底」にあたる場所は、周囲の雨水が一気に集まってくるため内水氾濫が起こりやすくなります。
2. 道路よりも敷地が低い住宅
道路と敷地の間に段差があり、家や駐車場の位置が道路よりも低くなっている物件は注意が必要です。道路が少し冠水しただけでも、その水が滝のように敷地内へ流れ込んできてしまうリスクがあります。
3. 古い排水設備(下水道)が残る地域
下水道の設計基準は、時代や地域によって異なります。数十年前につくられた古い下水道管のままの地域では、近年の想定を超えるような「時間雨量50ミリ以上」といったゲリラ豪雨に対応しきれないケースがあります。一方で、新しく区画整理された分譲地などは、大きめの雨水貯留施設や最新の排水管が整備されていることが多く比較的リスクが低い傾向にあります。
4. 過去に道路冠水や浸水の履歴がある地域
過去に一度でも「あの交差点は、大雨が降るといつも車輪が浸かるくらい水が溜まるよ」といった経験がある地域は、地形的・構造的に水が集まりやすい証拠です。雨の降り方が激しくなれば、道路だけでなく敷地内にまで水が及ぶ可能性があります。
5. 地下駐車場や半地下のある建物
都市部やマンションなどでよく見られる、地下へのスロープがある駐車場や、一戸建ての半地下寝室などは、内水氾濫が発生した際に水が最も流れ込みやすい一等地になってしまいます。止水板(しすいばん)などの対策が施されているかどうかが重要になります。
お客様👨🦰:
「なるほど。ただ平坦に見える街でも、微妙な高低差や、下水道の歴史によってリスクが変わってくるんですね。現地を見る目が変わりそうです。」
ノダチ👨💼:
「そう言っていただけると嬉しいです!目に見える建物の綺麗さだけでなく、足元の『土地の性質』を見ることが、失敗しない不動産選びの第一歩なんですよ。」
不動産購入時に確認すべきポイント
お客様👨🦰:
「実際にこれから中古住宅や土地の購入を検討する場合、内水氾濫のリスクを避けるために、私たちは具体的に何をどうやって確認すればいいのでしょうか?」
ノダチ👨💼:
「不動産を購入される際は、契約書に判を押す前に、ご自身でもいくつかのステップで確認することをおすすめしています。具体的な確認ポイントを7つに分けてご紹介しますね。」
① 自治体のハザードマップ(内水ハザードマップ)
最も確実で手軽な方法は、各自治体が発行しているハザードマップを確認することです。ここで注意したいのは多くの方が目にする「洪水ハザードマップ」とは別に、「内水ハザードマップ」や「雨水出水ハザードマップ」という名称で、内水氾濫に特化したマップを公開している自治体があるということです。明石市でも、ホームページなどで各種ハザードマップが公開されていますので、まずは検討している物件の住所が色づけ(浸水想定区域)されていないか確認しましょう。
② 過去の浸水履歴の確認
ハザードマップはあくまで「シミュレーション(予測)」です。本当に大切なのは「実際に過去にどうだったか」という事実です。多くの自治体の土木課や河川課などの窓口では、「過去の浸水履歴」を管理しています。「〇年〇月の台風の際、この付近で床下浸水が〇件あった」といった正確なデータを教えてもらうことができます。
③ 道路と敷地の高低差を現地で見る
先ほども触れましたが、現地の確認は必須です。晴れた日に物件を見に行く際、道路から玄関までのアプローチが「上り坂」になっているか、それとも「下り坂」になっているかをチェックしてください。少しでも道路より高くなっていれば、道路冠水が起きても建物まで水が届く可能性を低く抑えられます。
④ 周辺道路の排水溝・側溝・雨水桝の状態
物件の前面道路にある側溝や、雨水を吸い込む「雨水桝(うすいます)」を見てみてください。ゴミや落ち葉、泥が詰まって放置されていませんか?また、近隣の道路に「グレーチング(格子状の鉄製の蓋)」が多く設置されている場所は、それだけ雨水を多く取り込もうとしている=水が溜まりやすい場所、というヒントになることもあります。
⑤ 近隣住民や管理組合への聞き取り
少しハードルが高く感じるかもしれませんが、お隣の方や、長くその地域に住んでいそうな方に「このあたりは大雨のとき、道路に水が溜まったりしますか?」と尋ねてみるのは非常に有効です。ハザードマップには載っていない、リアルな地域住民の生の声を聞くことができます。
⑥ マンションの場合は共用部と地下設備の確認
中古マンションを購入する場合は、お部屋がある階数(例えば3階や5階)がどれだけ高くても安心はできません。なぜなら、マンションの心臓部である「電気室」「受変電設備」「給水ポンプ」などが地下や1階にある場合、そこが内水氾濫で冠水すると、建物全体が停電・断水し、エレベーターも動かなくなるという最悪の事態になるからです。機械式駐車場が地下にある場合も、車が水没するリスクがあります。これらがどのような浸水対策をとっているか、管理組合の過去の議事録などを確認することが大切です。
⑦ 不動産会社に「水害リスクについて詳しく知りたい」と伝える
これが一番の近道かもしれません。地域密着で営業している誠実な不動産会社であれば、契約直前の重要事項説明を待つことなく、物件探しの初期段階からそのエリアの水害リスクについて調べて教えてくれます。
お客様👨🦰:
「なるほど、ハザードマップを見るだけでなく、現地の排水溝を見たり、マンションの地下設備まで気にかけたりする必要があるんですね。すごく勉強になります!」
不動産売却時に注意すべきポイント
お客様👨🦰:
「逆に、いま持っている実家や土地を売却したいと考えている場合、もしその物件が『過去に道路冠水があった』とか『内水ハザードマップで色が塗られている』という場所だったら、やっぱり売れにくくなってしまうんでしょうか…? 不安になってきました。」
ノダチ👨💼:
「お気持ちはよく分かります。ご自身の大切な資産ですし、相続した実家や空き家を処分しようとしたときに『水害リスクがあるから売れないのでは』と心配される方はとても多いです。しかし、結論から申し上げますと、『水害リスクがあるからといって、絶対に売れないということはありません』。どうぞ安心してください。」
お客様👨🦰:
「本当ですか? 買ってくれる人が敬遠しそうな気がしますが…。」
ノダチ👨💼:
「もちろん、リスクが全くない物件に比べれば、検討する方が慎重になるのは事実です。だからこそ、売却時にはいくつかの重要な注意点とコツがあります。以下のポイントを押さえて売却を進めることが大切です。」
1. 過去の被害やリスクは「正直にすべて伝える」
一番やってはいけないのは、「売れなくなるのが怖いから」といって、過去に床下浸水した事実や、大雨のときに庭に水が溜まることを隠して売却することです。これは不動産取引において「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」という重大な問題になり、売却した後に買主様から損害賠償を請求されたり、契約を解除されたりするトラブルに発展します。 不安要素は隠すのではなく、最初に「正しく伝えること」が、結果として買主様との信頼関係につながり、スムーズな売却を可能にします。
2. リスクに対する「対策や過去の履歴」を整理しておく
ただ「ここは水が出ます」と伝えるだけでは買主様は逃げてしまいます。しかし、以下のような具体的な情報が添えられていればどうでしょうか。
「過去に一度、ゲリラ豪雨で床下浸水の一歩手前まで水が来ましたが、その後、市役所が道路の排水管を太くする改善工事をしてからは一度も冠水していません。」
「大雨のときは、敷地の入り口に簡易的な土のうを置くようにしていました。そのための土のう袋も物置にあります。」
このように、「リスクの程度」と「具体的な対策・改善履歴」を整理して提示できれば、買主様も『これくらいの頻度と対策なら、気を付ければ大丈夫だな』と冷静に判断できるようになります。
3. リフォーム履歴や浸水対策をアピールする
もし過去の浸水をきっかけに、基礎を高くする工事をしていたり、床下の断熱材や排水弁を最新のものに交換していたり、リフォームをした経歴があれば、それは大きなアピールポイントになります。物件のマイナス面を補うプラスの情報をしっかりと資料にまとめておきましょう。
ノダチ👨💼:
「不動産売却で最も大切なのは、物件の『良いところ』も『悪いところ』も、すべてオープンにして、納得してもらった上で買主様にバトンタッチすることです。株式会社nodachiでは、売主様が不利益を被らないよう、また買主様とも後々トラブルにならないよう事前のリスク調査と正しい情報の整理を何よりも丁寧に行っています。」
内水氾濫リスクがある物件は買わない方がいいのか?
お客様👨🦰:
「もし、気に入った中古住宅や土地が見つかったけれど、調べてみたら『内水氾濫のリスクが多少ある(ハザードマップで薄く色がついている、または過去に道路冠水がある)』という場所だった場合、やっぱり購入は諦めて買わない方がいいんでしょうか?」
ノダチ👨💼:
「一概に『リスクがあるから買わない方がいい』とは言えません。なぜなら、完璧にすべての災害リスクがゼロの不動産というのは、日本国内においては非常に珍しいからです。大切なのは、リスクを正しく理解した上で、『総合的に判断して、納得して購入すること』です。」
お客様👨🦰:
「総合的に判断、というと具体的にはどんなところを見るべきですか?」
ノダチ👨💼:
「例えば、以下のような要素を天秤にかけてみてください。」
- 価格と立地のバランス: リスクがある分、周辺の相場よりも価格が安く抑えられていることがあります。「駅から近くて利便性が抜群だし、予算内に収まる。その代わり、水害対策は自分でしっかりやろう」という割り切り方も一つの選択肢です。
- 建物の構造と浸水対策: 一戸建てであれば、基礎が高く作られている(高床式など)物件や、外構に防水壁・止水板を設置できるような構造であれば、内水氾濫による建物への被害を最小限に防ぐことができます。
- 避難経路と生活への影響: 万が一、前面道路が冠水したとしても、2階に安全に避難できるスペースがあるか、食料の備蓄をしておけるかなど、住まい方の工夫でリスクをカバーできます。
- 適切な火災保険(水災補償)への加入: 万が一の被害が出たときに、経済的なダメージをカバーできる保険に入れるかどうかも重要なポイントです。
ノダチ👨💼:
「リスクをゼロにすることにこだわりすぎて、いつまでも家が買えないよりも、リスクがあることを知った上で『これなら対策ができるから大丈夫』と納得して選ぶ。この『知ってて買う』のと『知らずに買って後悔する』のとでは、その後の安心感がまったく違いますよね。」
火災保険・水災補償の確認
お客様👨🦰:
「いま保険のお話が出ましたが、大雨で家が浸水した場合、一般的な火災保険で直せるものなんですか?」
ノダチ👨💼:
「火災保険という名前ですが、実は特約やプランによって『水害』もカバーできます。ただし、注意しなければならないのは、基本プランに『水災補償』が組み込まれているか、あるいはオプションで追加しているかどうかです。」
お客様👨🦰:
「入っていれば、道路が冠水して家にお水が入ってきたときもお金が出るんですね?」
ノダチ👨💼:
「はい、対象になります。内水氾濫による床上浸水や、一定以上の損害を受けた場合は保険金が支払われます。ただし、保険会社や契約内容によって『支払基準(免責事項)』が細かく決まっています。一般的には、以下のような基準が設けられていることが多いです。」
- 建物または家財の再調達価額の「30%以上」の損害を受けた場合
- または、床上浸水(地盤面から45cmを超える浸水)による損害を受けた場合
お客様👨🦰:
「じゃあ、床下浸水で45cm未満のほんの少しの浸水だと、保険が出ないこともあるんですか?」
ノダチ👨💼:
「そうなんです。契約内容によっては『床下浸水は対象外』となっているプランもありますので、非常に重要なポイントです。これから不動産を購入される方は、保険選びの際に『水災補償の適用条件』をしっかり確認すること。そして、すでに不動産(実家や空き家など)を所有されている方は、今ご自身が入っている火災保険の証券を見て万が一の内水氾濫のときに守られる内容になっているかを今一度確認しておくことが大切です。」
まとめ
今回は「内水氾濫とは何か」という基本から、洪水(外水氾濫)との違い、不動産購入や売却において知っておくべき浸水リスクの確認方法までを詳しく解説してきました。最後に大切なポイントをおさらいしましょう。
- 内水氾濫とは、 川が溢れていなくても、街中の大雨を排水しきれずに道路や敷地が浸水する都市型の水害である。
- 「川から離れているから安心」は禁物。 ハザードマップ(特に内水ハザードマップ)や過去の浸水履歴、道路との高低差を現地でしっかり確認することが大切。
- 不動産売却時はリスクを隠さない。 過去の浸水履歴や冠水の状況は、正直に正しく伝えることが信頼につながり、のちのトラブルを防ぐ最短ルート。
- リスクがある物件=買ってはいけない、ではない。 価格、立地、建物の構造、火災保険(水災補償)などを総合的に判断し、納得して選ぶことが重要。
不動産の売買は、人生のなかでも特に大きなお買い物のひとつであり、大切な資産の組み換えです。だからこそ、表面的な綺麗さや条件だけでなく、目に見えない「安心・安全」のリスクについても、最初から丁寧に向き合ってくれるパートナーを選ぶことが失敗しないコツです。
不動産のことなら株式会社nodachiへご相談ください!
今回ご紹介したようなちょっと分かりにくい「ハザードマップの見方」や「物件周辺のリアルな水害リスク」についても、現地の徹底した調査に基づき、中立な立場で良いところも悪いところも包み隠さずお伝えいたします。
- 「今検討している中古住宅があるけれど、水害リスクが本当にないかプロの目で見てほしい」
- 「実家を相続したけれど、古い家だし、過去に大雨で庭に水が溜まったことがあって売れるか心配…」
- 「空き家になったまま放置している家があり、トラブルになる前に誠実に手放したい」
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