そもそも不動産売却でいう「損失」とは?
お客様👨🦰
「ノダチさん、こんにちは!実は今、マイホームの売却を考えているんです。でも、当時の購入価格よりどうしても安くなりそうで……。3,000万円で買った家を2,500万円で売ったら、単純に500万円の損になりますよね?これって税金に何か影響するんでしょうか?」
ノダチ👨💼
「お客様、ご相談ありがとうございます!愛着のあるマイホームできるだけ高く売りたいところですが、市場の状況によっては購入時より価格が下がってしまうこともありますよね。
実は、感覚的には『500万円の損』に見えますが、税金の計算では少し違ってくるんです。売却価格が購入価格より安いだけで、必ずしも税務上の損失(譲渡損失)になるとは限らないんですよ。」
お客様👨🦰
「えっ、そうなんですか!?買った金額と売った金額の差ではないということですか?」
ノダチ👨💼
「はい、そうなんです。税務上は『譲渡所得』という計算式を使って判断します。基本的な考え方は、売却価格から『取得費』と『譲渡費用』を差し引いて計算します。
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
この計算の結果、マイナスになった場合が税務上の『損失(譲渡損失)』となります。ここで特に注意が必要なのが、お建物の『減価償却』です。建物は年数の経過とともに価値が下がっていくものとみなされるため、購入したときの金額から、住んでいた期間に応じた減価償却費を差し引いて『取得費』を計算しなければなりません。」
お客様👨🦰
「なるほど……。じゃあ、建物の価値が目減りしている分、思ったよりも『買った金額(取得費)』が小さくなって、税務上の損は少なくなっている(あるいは損になっていない)可能性もあるわけですね。」
ノダチ👨💼
「その通りです!そのため、実際に税務上の損失が出ているかどうかは事前のしっかりとした計算が必要になります。まずはここが出発点ですね。」
マイホームの売却損は、条件次第で税金が安くなる可能性があります
お客様👨🦰
「もし計算してみて、本当に税務上も『損失』が出ているって分かったら、その損失はどうなるんですか?売って損をしただけだから、税金には関係ないんでしょうか……?」
ノダチ👨💼
「原則として、不動産を売却して出た損失は、お給料などの『給与所得』と自由に相殺することはできない仕組みになっています。これを『損益通算の禁止』といいます。
しかし、売却した不動産が『居住用財産』、つまりお客様がご自身で住まわれていたマイホームである場合には、特別な特例が用意されているんです!」
お客様👨🦰
「マイホームの売却なら、何か救済措置のようなものがあるんですね!」
ノダチ👨💼
「はい!一定の細かい条件を満たす必要がありますが、マイホームの売却損については、その年の給与所得や事業所得など、他の所得から差し引く(損益通算する)ことができる可能性があります。
さらに、売却損が大きくてその年の所得から引ききれなかった(控除しきれなかった)損失については、翌年以後3年間にわたって繰り越して、翌年以降の所得からさらに控除できる可能性もあるんですよ。」
お客様👨🦰
「お給料から差し引いてもらえるということは、納める税金が少なくなったり、戻ってきたりするということですか?」
ノダチ👨💼
「おっしゃる通りです!その結果として、所得税や住民税の負担が軽くなる場合があります。売却で損をしてしまったとしても、国税庁が用意しているこの制度を上手に活用できれば、家計の負担を大きく減らすことができるかもしれません。」
代表的な制度は大きく2パターンあります
お客様👨🦰
「それは心強いですね!そのマイホームの売却損に関する制度には、具体的にどのようなものがあるんですか?」
ノダチ👨💼
「はい、代表的な制度は大きく分けて2つのパターンがあります。お客様が売却した後に『新しくお住み替えをする(買換え)』か、それとも『買換えはせずに売却だけする』かによって、使う制度が変わってきます。順番に見ていきましょう!」
1. マイホームを買い換える場合の譲渡損失の特例
ノダチ👨💼
「まず1つ目は、今のマイホームを売却して、新しく次のマイホームへ買い換える場合に使える可能性がある制度です。
正式名称は、『居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例』といいます。」
お客様👨🦰
「住み替えで今の家を売ったら損が出そうです、という場合もこれに該当する可能性があるんですね。」
ノダチ👨💼
「はい、まさにそのケースをサポートするための特例です。この特例が適用できると、売却した年に出た損失をその年の他のお給料などと相殺し、それでも引ききれなかった場合は、翌年以降3年間繰り越して税金を安くできる可能性があります。
ただし、これにはいくつかの重要な条件があります。」
- 売却するマイホームの条件: 所有期間が売却した年の1月1日時点で5年を超えていることなど
- 新しく取得する住宅の条件: 床面積が50平方メートル以上であること、売却した年の前年から翌年までの3年間に取得することなど
- 新居の住宅ローンの条件: 新しく購入する住宅に、償還期間(借入期間)10年以上の住宅ローンを組むことなど
お客様👨🦰
「なるほど。今の家を長く持っていたかという点だけでなく新しく買う家や、その住宅ローンの期間まで条件に入ってくるんですね。事前確認が本当に大切になりそうです。」
2. 住宅ローンが残っているマイホームを売却する場合の特例
ノダチ👨💼
「そして2つ目が、新しく家を買い換えない場合でも使える可能性がある特例です。こちらは、住宅ローンが残っているマイホームを売却して損失が出た場合に活用できるものです。
正式名称は、『特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例』といいます。」
お客様👨🦰
「売却してもローンが残ってしまうような、いわゆる『オーバーローン』の状態でも、何か救済制度はあるんでしょうか……?」
ノダチ👨💼
「まさにその状態のときに問題になりやすいのがこの制度です!売却代金をすべてローンの返済に充てても、まだ住宅ローン残高が残ってしまう場合、一定の条件を満たせば、損益通算や繰越控除が使える可能性があります。
この特例の場合、差し引くことができる損失の金額には上限があり、『売却価格』と『売却したマイホームの住宅ローン残高』の差額などが基準となります。」
お客様👨🦰
「新しい家を買わなくても、ローンがたくさん残ってしまって損が出たときは、こちらの特例で税金が安くなる可能性があるんですね。少し救われる気持ちになります。」
ノダチ👨💼
「そうですよね。ただ、どちらの特例も非常に細かい適用要件が定められています。ご自身で判断される前に、私たちのような不動産会社や、税理士、税務署への事前確認が不可欠です。」
どれくらい税金が安くなる可能性があるの?
お客様👨🦰
「具体的に、これらの特例を使うとどれくらい税金が安くなる可能性があるのか、イメージを教えていただけますか?」
ノダチ👨💼
「分かりました!では、金額を仮定した簡単な例でイメージを掴んでみましょう。例えば、以下のようなケースを考えてみます。」
- その年の給与所得などの所得: 600万円
- マイホーム売却による税務上の譲渡損失: 300万円
ノダチ👨💼
「もし、条件を満たして損益通算ができる場合、本来であれば所得600万円に対してかかってくる所得税や住民税を、以下のように計算し直すことができる可能性があります。」
課税対象となる所得 = 600万円 - 300万円 = 300万円
ノダチ👨💼
「このように、課税対象となる所得を300万円までグッと圧縮できる可能性があるんです。所得が半分になれば、その分納める税金も少なくなりますよね。」
お客様👨🦰
「なるほど!売却損が出たら、そのマイナス分の金額がそのまま現金で戻ってくるわけではないんですね。」
ノダチ👨💼
「そうなんです。売却損の金額がそのままキャッシュバックされるわけではなく、あくまで『お持ちの所得と相殺することで、結果的に所得税や住民税の負担が軽くなる・還付される可能性がある』というイメージになります。」
⚠️ ご注意ください
実際の税額や戻ってくる金額は、お客様それぞれの「所得控除の状況」「適用される所得税率」「住民税の算出方法」「新しい家での住宅ローン控除(併用できるかどうかの関係)」「ご家族構成」などによって大きく変動します。そのため、具体的な金額をここで断定することはできません。必ず個別のシミュレーションが必要となります。
注意点1|確定申告が必要です
お客様👨🦰
「この制度を使いたい場合、売却した次の年などに、役所が自動的に計算して税金を安くしてくれるんですか?」
ノダチ👨💼
「いいえ、残念ながら自動では安くなりません。ここが大きな注意点の1つ目です。これらの特例を受けるためには、必ず『確定申告』を行う必要があります。」
お客様👨🦰
「やっぱり確定申告をしないといけないんですね。ハードルが高そうですが……。」
ノダチ👨💼
「確かに難しく感じるかもしれませんが、税金を抑えるためにはとても重要な手続きです。家を売却して損失が出た年分について、税務署へ必要書類を添付して申告します。
さらに、1年目で引ききれなかった損失を2年目、3年目へと繰り越して控除(繰越控除)を受ける場合は、損失が出た年だけでなく、その後も連続して確定申告を行う必要があります。」
お客様👨
「えっ!売った年だけでなく、その後も毎年申告を続けなきゃいけないんですか?」
ノダチ👨💼
「はい、その通りなんです。途中で申告を抜かしてしまうと、繰越控除が受けられなくなってしまうケースがあります。期限内申告が必須となる要件もありますので、売却した後は早めに書類を準備し、税務署や税理士の先生に相談しながら進めるのが安心ですよ。」
注意点2|すべての不動産売却損が対象ではありません
お客様👨🦰
「他にも気をつけた方がいいことはありますか?」
ノダチ👨💼
「はい、2つ目の注意点として、『すべての不動産売却損が対象になるわけではない』という点が挙げられます。例えば、以下のようなケースでは、これらの特例は対象外となる可能性が高いため注意が必要です。」
- 投資用不動産: 人に貸して家賃収入を得ていたマンションやアパートなど
- セカンドハウス: 別荘や、たまにしか使っていなかったセカンドハウスなど
- 親族間売買など特殊な取引: 親子や夫婦、生計を一にする親族間での売買など
- 所有期間やローンの要件: 前述した「5年超の所有」や「10年以上のローン」などの条件を1つでも満たしていない場合
- 買換え先の住宅の要件: 床面積が足りない、取得時期がズレてしまったなど
- 他の特例との併用: 過去数年以内にマイホーム売却の別の特例(3,000万円特別控除など)を使っている場合
お客様👨🦰
「自分が住んでいない賃貸中のマンションでも使えますか?と聞こうと思っていましたが、基本的には本人が住んでいる『居住用財産(マイホーム)』が対象なんですね。」
ノダチ👨💼
「その通りです!あくまで『自分が生活の拠点として使っていたマイホーム』を売却したときの痛みを和らげるための制度ですので、投資用や別荘などは対象外となる可能性が非常に高いです。ご自身の物件が対象になるかどうか、しっかりチェックしましょう。」
売却前に確認しておきたい書類
お客様👨🦰
「もし確定申告をする、あるいは事前に税理士さんや不動産会社に相談する場合、どんな書類を準備しておけばいいですか?」
ノダチ👨💼
「ありがとうございます!相談や申告をスムーズに進めるために、以下のような書類をあらかじめ確認・保管しておくと良いですよ。箇条書きで整理しますね。」
- 📄 購入時の売買契約書・注文住宅の請負契約書
- 📄 購入時の諸費用が分かる資料(仲介手数料、登記費用、印紙代などの領収書)
- 📄 売却時の売買契約書
- 📄 売却時の仲介手数料など、譲渡費用が分かる領収書
- 📄 住宅ローンの年末残高証明書(またはローン返済予定表)
- 📄 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 📄 住民票関係書類(マイホームに住んでいた証明のため)
- 📄 (買換えの場合) 買換え先の売買契約書・新居の住宅ローン関係書類
お客様👨🦰
「うわあ、たくさんありますね……。実は、当時の『購入時の契約書』や『諸費用の領収書』がどこにいったか分からなくて……。見つからないと、もう諦めるしかないんでしょうか?」
ノダチ👨💼
「あきらめないでください!購入時の契約書を紛失してしまっているケースは、実は少なくありません。見当たらない場合でも、すぐに諦める必要はありませんよ。
当時の通帳の履歴や、購入した不動産会社への確認、金融機関の住宅ローン借入記録などから取得費を証明できる方法を模索することができます。まずは諦めずに、不動産会社や金融機関、税理士へ相談してみることが大切です!」
売却前に不動産会社へ相談するメリット
お客様👨🦰
「税金の具体的な判断は最終的に税理士さんや税務署になるとしても、売却を始める前の段階でノダチさんのような不動産会社に相談することにはどんなメリットがありますか?」
ノダチ👨💼
「そうですね!税務の最終的な判断は税理士や税務署になりますが、そこに至るまでの『正確な数字の土台』を作るのが私たち不動産会社の役割です。売却前に不動産会社へご相談いただくことには、以下のようなたくさんのメリットがあります!」
- 💡 売却価格の見込み(査定額)を事前に把握できる
- 💡 住宅ローン残債と査定額を比較して、いくら手元に残るか(残るローンがあるか)が分かる
- 💡 売却損が出る可能性を早い段階で察知し、対策を練られる
- 💡 買換えの場合、今の家の売却と新しい家の購入スケジュールを無理なく整理できる
- 💡 仲介手数料や登記費用など、諸費用を含めたトータルの資金計画を考えやすい
- 💡 提携している税理士や司法書士などの専門家と連携しながら、ワンストップで進められる
ノダチ👨💼
ただ単に不動産の売却価格を提示するだけでなく、お客様の住宅ローン残債、売却を最適な時期、買換え先とのスケジュールなども含めて全体像をできるだけ分かりやすく整理しながらご提案することを心掛けています。一人で悩まずに、まずは一緒に作戦会議をしましょう!」
まとめ|売却で損失が出る場合も、申告で税金が軽くなる可能性があります
お客様👨🦰
「今日は色々教えていただき、ありがとうございました!売却して損が出そうだからといって、ただ落ち込むだけではなく、使える制度があるかもしれないと分かってホッとしました。」
ノダチ👨💼
「そう言っていただけて嬉しいです!それでは、今日の大切なポイントを最後にもう一度おさらいしておきましょう。」
- 📌 マイホーム(居住用不動産)を売却して損失が出た場合、一定の条件を満たせば税金が安くなる可能性がある
- 📌 代表的な特例には「新しい家へ買い換える場合」と「住宅ローンが残っている場合」の2パターンがある
- 📌 「損益通算」や「繰越控除」を利用することで、所得税や住民税の負担軽減につながることがある
- 📌 自動的には適用されないため、売却した翌年以降に「確定申告」をする必要がある
- 📌 条件や添付書類が非常に細かいため、事前に税理士や税務署への確認が極めて大切
- 📌 売却前の段階から不動産会社に相談することで、資金計画やスケジュールをきれいに整理しやすくなる
📢 最新情報のご確認について
税制は定期的に改正されることがあります。この記事の記載内容は令和8年(2026年)時点の税制に基づいた一般的なご案内です。実際の適用の可否や最新の正確な情報につきましては、国税庁のホームページ等でご確認いただくか、最寄りの税務署・税理士まで必ずご確認をお願いいたします。

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