👨‍🦰 お客様: 「ノダチさん、実は親から相続した土地があるんですが全く使い道がなくて困っているんです。家からは遠いし、毎年固定資産税だけ払っていて……。それに、夏になると草刈りに行かないといけないし、近隣の方から『草が伸びている』と苦情が来たこともあって土地の管理が本当に負担なんですよ。最近ニュースで『いらない土地を国に返すことができる制度』ができたって聞いたんですが、うちの土地も引き取ってもらえませんか?」

👨‍💼 ノダチ: 「ご相談ありがとうございます。相続した土地や空き家の問題、本当に大変ですよね。土地の管理にかかる労力や費用、ご不安なお気持ちよく分かります。おっしゃる通り最近よく耳にするようになったのが『相続土地国庫帰属制度』ですね」

👨‍🦰 お客様: 「そう、それです! どんな土地でも国が引き取ってくれる夢のような制度なんですか?」

👨‍💼 ノダチ: 「実はそこが一番誤解されやすいポイントなんです。結論から言うと、どんな土地でも国が引き取ってくれるわけではないんです。今日は、この『国庫帰属制度』について、どんな土地なら申請できるのか、逆にどんな土地は難しいのか、費用や注意点も含めて分かりやすく解説していきますね!」


1. 相続土地国庫帰属制度とは?

👨‍💼 ノダチ: 「まず、『相続土地国庫帰属制度』とは何かを簡単にご説明しますね。これは、相続や遺贈(遺言によって財産を受け継ぐこと)によって取得した土地を、一定の条件を満たせば国庫に帰属させる(国のものにする)ことができる制度です」

👨‍🦰 お客様: 「なるほど。じゃあ、いらない土地を国にパッと返せるんですね!」

👨‍💼 ノダチ: 「それが、『土地を国に返す』というよりも、『国に引き取ってもらうために、厳しい審査を受ける制度』と考えた方が実態に近いです。対象となるのは、建物が建っていない『土地』のみで、国が管理を引き継いでも困らない状態になっていることが大前提なんです」

👨‍🦰 お客様: 「どうしてそんなに厳しいんですか?」

👨‍💼 ノダチ: 「この制度の目的は、所有者不明の土地や、管理されずに放置される土地の発生を防ぐことにあります。ただ、国が引き取った後、その土地の管理には税金が使われますよね。そのため、国としても『手間や費用がかかりすぎる土地』は引き取れない、という背景があるんです」


2. 申請できる人は?

👨‍💼 ノダチ: 「次に、この制度を使える『人』の条件を見ていきましょう」

  • 相続または遺贈によって土地を取得した人が対象です。
  • 自分で買った土地(売買で取得した土地)や、生前贈与で譲り受けた土地は原則として対象外になります。

👨‍🦰 お客様: 「うちは親から相続したので大丈夫そうです! ただ、兄弟3人の共有名義になっているんですが……」

👨‍💼 ノダチ: 「そこが要注意ポイントです! 共有名義になっている場合は、共有者全員で一緒に申請する必要があります。相続人のうちの1人だけが『自分の持ち分だけ国に引き取ってほしい』と勝手に申請できるわけではないので、ご兄弟での話し合いが必須になりますね」


3. 引取申請ができない土地(申請の段階で却下される土地)

👨‍💼 ノダチ: 「ここからが本題です。実は、そもそも『申請すらできない(却下される)土地』というのがあります。代表的なものを一般の方にも分かりやすく説明しますね」

  • 家が建ったままではダメ(建物がある土地) 建物(空き家や倉庫など)が残っていると申請できません。更地にする必要があります。
  • 誰かに貸している土地は簡単には申請できない(担保権や使用収益権が設定されている土地) 抵当権がついている土地や、賃借権・地上権など、誰かが使う権利を持っている土地はダメです。
  • 他人による使用が予定されている土地 誰かが通り抜けに使う「通路」や、地域のお墓、境内地などは対象外です。
  • 土壌汚染がある土地 有害物質で汚染されている土地は、国も引き取れません。
  • 隣地との境界が分からない土地は難しい(境界が明らかでない土地) お隣さんとの境界線がはっきりしていない土地や、境界標がない土地は申請できません。
  • 所有権の存否や範囲について争いがある土地 「ここはうちの土地だ!」「いや、うちのだ!」とモメている土地はNGです。

👨‍🦰 お客様: 「うわぁ……。実家の土地、古い空き家が建ったままだし、お隣さんとの境界もどこかよく分からないです……」

👨‍💼 ノダチ: 「そうなんです。多くの方がここでつまずかれます。建物を解体して、測量を入れて境界を確定させるとなるとそれだけで数百万円の費用がかかることも珍しくありません」


4. 申請できても承認されない土地(審査で落ちる土地)

👨‍💼 ノダチ: 「さらに厳しいお話をしますね。仮に建物を壊して境界をハッキリさせて『申請』できたとしても、その後の審査で『やっぱり国では引き取れません』と不承認になるケースがあります」

主な例として、以下のような土地は承認されません。

  • 一定以上の崖がある土地(崩れる危険があり、管理にお金がかかるため)
  • 土地の管理を妨げる工作物・車両・樹木・廃棄物などがある土地(古い車が放置されていたり、竹林が放置されていたりする場合)
  • 地下に除去が必要なものが埋まっている土地(古い建物の基礎、コンクリートガラ、古い浄化槽や埋設管など)
  • 隣地所有者などとの争訟が必要な土地(トラブルを抱えている土地)
  • その他、通常の管理や処分に過大な費用や労力がかかる土地

👨‍🦰 お客様: 「地下に埋まっているものまで見られるんですか!?」

👨‍💼 ノダチ: 「そうなんです。だからこそ、強調しておきたいことがあります。申請できる=必ず国が引き取ってくれるではありません 審査はかなり厳格に行われます」


5. 費用について(無料で手放せるわけではない)

👨‍🦰 お客様: 「もし運良く審査に通ったら、無料でおさらばできるんですか?」

👨‍💼 ノダチ: 「いえ、実は無料ではありません。 以下の費用がかかります」

  1. 審査手数料 申請時に1筆あたり1万4,000円程度(※)の手数料がかかります。
  2. 負担金 審査に通って国庫への帰属が承認された場合、「土地の管理に必要な10年分の標準的な費用相当額」として負担金を納める必要があります。

👨‍💼 ノダチ: 「負担金は、土地の種類(宅地、農地、山林など)や面積、場所によって変わりますが、原則20万円です。ただし、市街地の宅地など一部の土地では、面積に応じて算定され、数十万円〜百万円以上になることもあります。決して『無料で引き取ってもらえる制度』ではないんです」

👨‍🦰 お客様: 「なるほど……。解体費用や測量費用を払った上に、負担金も払うとなると、かなりの出費ですね。しかも、却下や不承認になったら審査手数料は戻ってこないんですよね?」

👨‍💼 ノダチ: 「その通りです。だからこそ申請前の事前確認が非常に大切になります」


6. 実務上、事前に確認したいポイント

👨‍💼 ノダチ: 「ご自身の土地が制度を使えそうか、まずは以下のチェックリストを確認してみてください」

【国庫帰属制度・事前チェックリスト】

  • ✅ 建物が残っていないか?
  • ✅ 隣地との境界は明確か?(境界標はあるか?)
  • ✅ 隣地とトラブルはないか?
  • ✅ 抵当権や賃借権などが付いていないか?
  • ✅ 土壌汚染や、地下に埋設物(コンクリートガラ等)の可能性はないか?
  • ✅ 道路に接しているか?
  • ✅ 現地まで安全に行ける土地か?(崖崩れなどはないか?)
  • ✅ 草木や残置物(ゴミや放置車両など)が多くないか?
  • ✅ 固定資産税評価額や地目(宅地・山林・農地など)はどうなっているか?
  • そもそも、普通に「売却」できる可能性はないか?

👨‍🦰 お客様: 「最後の『売却できる可能性』というのは?」

👨‍💼 ノダチ: 「国庫帰属制度を使うには、解体費、測量費、負担金など多額の費用がかかります。それなら『安くてもいいから市場で売却した方が、手出しのお金が少なくて済む』というケースが実はかなり多いんですよ」


7. 国庫帰属制度以外の選択肢

👨‍🦰 お客様: 「もし国庫帰属制度が使えなかったら、私は一生あの土地に縛られるんでしょうか……」

👨‍💼 ノダチ: 「ご安心ください! 国庫帰属制度が使えない=何もできないではありません。 売れない土地と思っても、以下のような選択肢があります」

  1. 通常の売却(仲介):価格を下げれば一般の方が買う可能性があります。
  2. 隣地所有者への相談:「隣の土地なら買いたい」というケースは意外と多いです。
  3. 買取業者への相談:訳あり物件や空き家を専門に買い取る業者もあります。
  4. 空き家バンクなどの活用:自治体の空き家バンクに登録し、田舎暮らしを希望する方を探します。
  5. 賃貸や駐車場としての活用:場所によっては貸し出すことで収益を生むことも。
  6. 管理委託:当面は草刈りや巡回を管理会社に任せ、負担を減らします。
  7. 相続人間での整理:誰か一人が相続し、他の財産でバランスをとる方法など。
  8. 専門家への相談:司法書士や税理士と連携し、より良い法務・税務上の解決策を探ります。

8. 不動産会社に相談するメリット

👨‍🦰 お客様: 「色々選択肢があるんですね! でも、自分たちだけではどれがベストか判断できなくて……。ノダチさんのお店のような不動産会社に相談したらどういうことをしてくれるんですか?」

👨‍💼 ノダチ: 「『株式会社nodachi』では以下のようなサポートをしています」

  • その土地が売却できる可能性があるか客観的に判断します
  • 最新の市場価格や需要をお調べします
  • 隣地の方へのアプローチや、買取業者への相談ルートを確保します
  • 相続登記や境界確定、税金の問題について、司法書士や税理士、土地家屋調査士などの専門家とスムーズに連携します

👨‍💼 ノダチ: 「いきなり国庫帰属制度に向けて解体や測量の手配をする前に、まずは『どうすれば一番手出しが少なく、お客様の負担が減るか』を総合的に整理できるのが、不動産会社に相談する最大のメリットです」

👨‍🦰 お客様: 「なるほど! 制度ありきで考えるのではなくまずはプロに全体を見てもらうのが大切なんですね。少しホッとしました」


9. まとめ:まずは一人で悩まず専門家に相談を!

いかがでしたでしょうか? 「相続土地国庫帰属制度」は、相続した不要な土地を手放すための有効な選択肢の一つです。

しかし、今日お話しした通り、

  • 申請できない土地や、承認されない土地が多くある
  • 建物、境界、権利関係、崖、埋設物などの厳しいクリア条件がある
  • 申請手数料や負担金などの費用もかかる といったハードルが存在します。

「いらない土地だから国にポイッと返せる」というわけではないため、事前にお持ちの不動産の状況をしっかり確認することが重要です。

※ご注意※ 相続土地国庫帰属制度の詳細は、法改正や運用変更がある可能性があります。最新情報は必ず法務局や法務省のホームページ等でご確認いただき、法律・税務・登記に関する最終的なご判断は、司法書士や税理士などの専門家にご相談ください。

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    株式会社nodachi(明石大久保の小さな不動産nodachi)
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