
はじめに
不動産売買の契約では「決済=引渡し」という流れが一般的です。
しかし実際の現場では、売主の引越し準備や新居完成のタイミングなどにより「決済日にすぐ物件を引渡せない」ケースがあります。
そんなときに利用されるのが 「引渡し猶予」 です。
1. 引渡し猶予とは?
👨🦰「ノダチさん、売買契約書に『引渡し猶予』って書いてあるんですが、どういう意味ですか?」
👨💼「はい、簡単に言うと 決済(お金の支払い)が終わった後でも、売主が一定期間その家に住み続けられる取り決め のことです🏠」
👨🦰「えっ?代金を払って登記も終わったのに、すぐに住めないんですか?」
👨💼「そうなんです。通常は『決済と同時に引渡し』ですが、引渡し猶予を付けると『決済日から〇日後までに引渡す』という形になります。」
2. なぜ引渡し猶予が必要になるの?
👨🦰「なるほど。でもなんでそんな制度があるんですか?」
👨💼「背景はいろいろあります💡
- 売主の引越し準備に時間がかかる
- 新居の完成や入居日が決済日とズレる
- 決済日をずらせないけど、引渡しは後にしたい
こうした事情に対応するために『引渡し猶予』を使うんです。」
3. 期間はどのくらい?
👨🦰「実際、どのくらい猶予されるんですか?」
👨💼「一般的には 3日〜1週間程度 が多いですね。長くても2週間程度まで。
あまり長いと買主に不安が残りますから、短めに設定するのが無難です⏳」
4. 契約書にどう書くの?
👨🦰「契約書にはどうやって書くんですか?」
👨💼「たとえばこんな文言がよく使われます✍️
売主は、本物件残代金を〇〇〇に充当するため、本物件の引渡日は、残代金を全額受領した日の翌日を起算日として〇日以内の引渡し猶予を設けるものとします。
こうしておくと、責任の範囲が明確になります。
5. 引渡し猶予中の責任は?
👨🦰「じゃあその期間にもし水漏れや事故があったら?」
👨💼「そこが大事なポイントです⚠️一般的には・・
- 光熱費や管理費は売主負担
- 火災保険は買主が決済日から加入するのが一般的
- 破損や汚損があれば売主が補修責任を負う
つまり 『所有権は買主に移っているけど、使用責任は売主』 という関係になります。」
6. 引渡し当日の流れ
👨🦰「じゃあ実際の引渡し日はどうするんですか?」
👨💼「流れはこんな感じです👇
- 売主が引越し完了・室内を空にする
- 仲介業者立会いで室内確認
- 鍵の本数を確認して買主に引渡し
- 『引渡確認書』『鍵受領書』に双方署名
これでようやく完全に引渡し完了です🔑」
7. トラブル事例
👨🦰「トラブルになることって多いですか?」
👨💼「実は意外とあります😅
- 引越しが間に合わず、猶予期限を過ぎてしまう
- 鍵の本数が足りない
- 残置物(家具など)がそのまま残っている
- 猶予中に設備故障や水漏れ
だからこそ契約書や確認書でしっかり記録を残すことが重要なんです。」
8. 買主・売主それぞれのメリット・デメリット
👨🦰「買主にとっては不安そうですね…」
👨💼「確かにリスクはあります。ただし双方にメリット・デメリットがありますよ。
売主のメリット
- 引越しに余裕ができる
- 新居の完成に合わせられる
売主のデメリット
- 猶予中の事故や破損の責任を負う
- 遅延で違約金が発生する可能性も
買主のメリット
- 決済を予定通りに済ませられる
- 条件次第で交渉の余地あり
買主のデメリット
- すぐに住めない
- 猶予中のトラブルリスク
だからこそ、仲介業者が間に入りバランスを取ることが欠かせません⚖️」
📚 法律的な位置づけ
民法では「引渡し=占有移転」とされています。
引渡し猶予は「特約」により合意しているため有効。ただし 契約書に明文化していないと無効トラブルの原因 となります。
📑 実務チェックリスト
- 猶予期間は短期間(3〜7日程度)に設定
- 光熱費・管理費・固定資産税の日割り負担を確認
- 火災保険開始日は決済日から
- 引渡し時は仲介立会いで室内確認+鍵確認
- 引渡確認書・鍵受領書にサイン
🎯 まとめ
引渡し猶予は売主・買主双方にメリットのある仕組みですが、責任範囲をあいまいにすると大きなトラブルに発展します。
契約書への明記、猶予期間の短期化、引渡し時の立会い確認が安心のカギです🔑
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